上部消化管内視鏡の観察のポイント
つくつくです。
研修医として、消化器疾患に当たる日々ですが、まだまだ分からないことだらけです。
皆さんと一緒に成長するためのお勉強ブログになります!
今回は上部消化管内視鏡観察のポイントについて学んでいきます!
今回の記事は、『上部消化管 内視鏡㊙ノート』『私の消化器内視鏡Tips』を参考としております。
ポイントは以下の4つです!
- 右手を意識して使う!
- 読影ルーチンを決める!
- 体位を変える!
- 場合によってはフードを上手く使う!
①右手を意識して使う!
上部消化管内視鏡では右手をスコープに添えますが、位置は20㎝程度のことが普通です。
しかし、現在の内視鏡検査では喉頭部の観察がほぼ必須となっており、20㎝程度であると咽頭反射を起こす可能性が高まってしまいます。
なので、はじめはなるべく口に近い位置で持ち、マウスピースの所に右人差し指を当て固定し、咽頭反射を起こさないように喉頭部の観察を行い、20㎝の定位置に戻します。
このようにすると咽頭部の観察がしっかりと出来ます。
また、咽頭部が狭い人の場合は「あー」と声を出してもらうのも良い手です。
②読影ルーティンを決める!
上部消化管内視鏡検査の観察順を決めている方は多いですし、基本ですが、病変の観察ではどうでしょうか?
病変があった場合は、①背景粘膜(胃)②どこ③どの位のサイズ④どういう形態⑤何かあるか(癌?SMT?)⑥深達度の6つを意識するとよいです。
なお、上部消化管内視鏡のスコープサイズは経口でだいたい10mmくらいが多く、サイズの目安になります。
観察の手順は今回は省きますが、胃体上部後壁や胃体中下部後壁は見落としやすく、前者はJターンの時にしっかりと、後者は反転観察のときに左アングルをかけて正面視することが大切です。
③体位を変える!
どんなに上手い人でも観察が困難なときがあります。
そんなときは体位を変えることで観察が簡単になることがあります。
エアーは8割くらいで基本行います。
よく見下げでの観察で大弯が見えにくい場合がありますが、そんな時は仰臥位にするとしっかりと見ることが出来ます。(確かに胃瘻作成のときは仰臥位になりますよね。)
また、喉頭通過が困難な場合は、Sniffing positionのような体位を取ると入りやすくなる場合もあります。
④場合によってはフードを上手く使う!
フードは観察内容によって長さを変えると見やすくなります。
例えば画面からフードが消える3mmでは陥凹性病変の精査、左端が画面から消える4mmでは生検・隆起性病変の観察、下端が画面から消える6mmではマーキング時や止血処置時に使用するとやりやすいです。
以上4つのポイントでした。
プロからすると基本かもしれませんが、しっかりと学んで少しでも診療に活かしていきましょう。
それでは。